

農林中央金庫では、会員である第一次産業従事者に対する系統貸出に加え、農林水産業に関連する事業 を営む法人(関連産業法人)や公共的な事業を営む法人などへの融資も実施しています。その原資は会員の貴重な預金なので、融資の際には対象企業の信用状態や資金計画、将来性、資金使途などを調査・分析しなければなりません。そして、リスクや収益を総合的に審査した上で、融資の可否を判断するのです。
私が所属している統合格付班では、企業を取り巻く経済環境や各業界の動向を調査して、業界の将来性や企業の信用力の見通しについての分析を行っています。経済産業省の商業販売統計をはじめとした政府発行の統計資料、業界内の主要企業の決算書…様々な経済指標が根拠となりますが、大切なのは膨大なデータの中から適切な情報を選択すること。同時に、その企業の現状や業界内での立ち位置、商品・サービス内容、事業計画書などについても徹底的に調査します。
ある小売業界の企業の、中長期的な信用力分析に携わったときのことです。小売業界の構造や変化を踏まえ、経営戦略や将来の見通しなどを分析。外部環境についても、景気が回復した場合、足踏みが続いた場合、悪化した場合など想定されるシナリオを立て、それぞれに応じた結果を導きました。このときは、最終的なレポートを提出するまでに4ヶ月くらいかかったと思います。それだけ、慎重さが求められる仕事なのです。
審査部に来る前は、営業部に所属していました。営業時代は企業に目が向いていましたが、審査部では業界全体を分析するので、マクロ経済や外部環境の変化など経済状況を広く見渡せるようになったと感じています。審査の結果によっては、融資にブレーキをかけることもあります。しかし、業界の成長性やその企業ならではの魅力を発見するのも、審査の役割。営業部門やリスク管理部門などと連携を取りながら、融資のリスク管理の高度化に貢献していきたいと思っています。