

私は系統組織の全国連や農業法人への融資機能を担う農林水産融資室で、農業系の全国連のグループ会社を担当しています。
業務の核となるのは、運転資金や設備資金の貸出です。貸出を行うにあたっては、財務諸表の分析を通じた取引先の経営状況把握が重要な仕事となりますが、その財務分析は教科書通りにはいきません。
グループ会社には、食品加工、飼料製造、物流、管財、貿易業など、幅広い分野の会社があり、その業界ならではの財務特性があります。例えば、穀物相場の影響を受けやすい会社に対しては、時勢を踏まえた機敏な対応が必要となります。取引先の状況に即した資金提供を遂行するには、財務分析の知識のみならず会社や業界固有の指標に対する感度を磨くことが不可欠なのです。
私の担当している取引先は、農林中央金庫がメインバンクの先が主体です。農林水産業協同組合の金融機関であり、全国連のメインバンクでもある農林中央金庫は、取引先の経営や財務に対して責任ある立場であり、仮に取引先の業績が悪化したとしても、メイン行として必要資金の相談・提供や財務改善の助言等を行っています。常に長期的な視点から取引先をサポートしていくのが農林中央金庫のスタンスです。 取引先の多くは、他の金融機関ともお付き合いをされていますが、競争が熾烈な環境下でも、自分たちだけが果たせるこうした役割を真摯にお伝えし、メイン行としていかにあるべきかを追求していくことが、取引先との良好な関係を維持する道だと理解しています。
営業担当になって半年余りが経った頃、長い間同じ条件で取引をしていたお客様に、思い切って銀行取引全体の見直しを提案したことがあります。金利や与信枠、振込手数料など、他の銀行も含めた包括的な提案です。すると、先方の経理課長からは、「長く懸案事項だったものが表面化して、具体策が講じられるようになった」との回答が…。自らの仕事の成果を初めて実感できた瞬間でした。
まだまだ経験不足ではありますが、これからも業界や融資に関する知識を幅広く習得し、農林中央金庫として、また自分として行える取引先への提案力を追い求めてゆきたいと思います。